■雪
このところの温暖化で近畿地方では滅多に見られなくなりましたが、雪はやはり冬のイメージとは切っても切り離せない風物誌のひとつ。
雪は、大気中で水蒸気が結晶してできた白い小片で、高山や極寒の地方では冬だけでなく晩春や初夏、秋にも見られます。同じ本州でもほとんど降雪のない地域もあれば毎年数メートルの積雪に悩まされる地方もあります。特に日本海に面した北陸から奥羽地方にかけては世界でも類の少ない多雪地で、数ヶ月の間雪に閉ざされながらも、『五穀の精』、『豊年の瑞兆』とも呼ばれ、雪国の生活の一端を担っています。
またウィンタースポーツの楽しみの一つが雪なくしては出来ないスキー。昔から『雪月花』という美しい日本語もあり、雪は冬の景観の大きな要素となっています。新雪は降ったばかりの雪、根雪は春まで溶けずに固まった雪、牡丹雪は雪片が大きくぼってりした感じの雪、細雪は細かく小粒に降る雪を言います。

『雪降れり時間の束の降るごとく』(石田波郷)


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